「もう疲れた」「仕事がしんどい」「もうやめたい」
仕事をやっているとそのように思ったことは一度や二度ではないはずです。人によって仕事の状況や生活状況はさまざまですが、
- 「よくわからないけどしんどい」
- 「なんだからわからないけどつらい」
といった悩みを持つ方がとても多いのです。
仕事がしんどかったら「無理をしない」「休む」ということはもちろん知っているかと思いますが、なぜそのことが大切なのかをお伝えしていきます。
「しんどい」と感じるのは心と体のサイン。それを放ったままにしてしまうと取り返しのつかないことになる場合があります。
そうならないためにも、「よくわからないけどしんどい」の原因と起こりうる病気のリスクについてみていきましょう。
目次
「よくわからないけどしんどい」の大元は「ストレス」
毎日仕事を続けていれば、無理をすることがあったり、精神的にイヤなことがあるのは避けられません。ですが、それを我慢して押し通してまで仕事を続けてはいませんか?
- 欠勤、遅刻、早退が多くなった
- 仕事の能率が低下し、ミスが多くなった
- 体の不調を訴えるようになった
- 酒癖が悪くなり、酒を飲むと人柄が変わってしまう
- 服装や身だしなみが乱れ、不潔になった
- ささいなことで怒ったり、反発したりするようになった
- 以前に比べて口数が少なくなった
- 同僚などと話し合うことを嫌がり、付き合いを避けるようになった
こういったことの根本的な問題はストレスによるもの。「よくわからないけどしんどい」「なんだからわからないけどつらい」と感じる背景には、知らず知らずのうちにストレスを抱え続けているということが考えられます。
ストレスは誰にだってあるもの
「ストレス」というと、「心身に悪影響を与えるもの」というイメージが定着していますが、もともとの意味は「外からくわえられた圧力」のこと。範囲を広げれば、暑い・寒いから、嬉しい・悲しいまで、快不快を問わずありとあらゆる「刺激」がストレスです。
ですので、生きていれば誰だってストレスを受けるのは当たり前なので、「ストレス」についてはよく言われていることなのですが、その実態は「誰にだってあるもの」としてあまり深刻には捉えられていないのです。
そしてそもそもどこまでが病的でどこまでが病的でないかの基準がはっきりしておらず、「努力が足りない」「気のせいだ」「もう少し持ちこたえればなんとかなる」といって我慢する傾向が強いのではないでしょうか。
ですが、なんとなく・よくわからないけど「しんどい」という状態の生活を送っていればいずれ限界がきます。「なんとかなるだろう」とその時は思っていても、自覚症状のないまま徐々にストレスは心と体を蝕んでいき、取り返しのつかないところまで進攻していってしまう可能性があるのです。
では、そのつかみどころのないストレスに対して、どのように対処していけばよいのでしょうか?そのヒントは「風邪」にあるのです。
風邪をひいてしまえば「休む」というあきらめがつく
せき、鼻水、のどの痛みや熱っぽさを感じた時は、誰でも最初に「風邪かな?」と疑います。
風邪といっても、ちょっとした疲れから来るものや、季節の変わり目にひく風邪、もしくは冬場にはインフルエンザもありますが、インフルエンザの場合、会社勤めでかかってしまうと、有無を言わさず一週間リタイアすることになります。
仕事が残っていたとしても、周りにうつってはまずいですから、逆に「仕事に来ないでください!」と言われる始末。そんな時には、休んだ方のありがたみがわかると同時に、その分をカバーしなければならないので大変です。
でもまあ、普通の風邪ですと、当の本人が責任感の強いがんばりやさんの場合、ちょっとくらいのしんどさであれば、なんとかその場を押し通そうとするでしょう。(インフルエンザの場合は押し通すわけにはいきませんが…)
そうでなくて、休みたい場合でも、代わりになる人がいないなど、状況が許してくれないこともあるでしょう。それは、「もしかしたら風邪かな?」と気づいても、一生懸命に気を張って、なんとか熱が上がらないようにしている状態。
ただ、それでも悪化していった場合は目に見えて体の具合が悪くなり、周りも気づきます。最終的には「ああ、風邪をひいちゃったな」と認めざるをえなくなり、ムリにがんばることをあきらめ、ゆっくり休んで治そうとする。
この、抵抗するのをあきらめて、ゆっくり治そうとするのは、風邪というものを経験して、「休んだら治る」ということを知っているから。そして、上がった熱はやがて下がることを知っているから。そうやって、ふたたび元気になっていきます。
しんどい時の対処法はその原因と病気のリスクを知ること。
この風邪をひいたときに学ぶことは次の二点です。
- 風邪をひいたときは無理をせずに休むこと
- 風邪は休めばよくなることを知っていること
ただし、ストレスがかかった「よくわからないけどしんどい」状態に対してはそのまま当てはめることはできません。なぜなら、無理をせずにといっても、なかなか自分で歯止めがきかない部分があって休めないからです。
そして、風邪をひいてしまえば動けなくなって自分も周囲も気づくことができますが、ストレスがかかったしんどさは自分も周囲もなかなか気づかないからです。
つまり、「よくわからないけどしんどい」時は、自分でその状態を知り、自分で休むという決断を取らなければならないということなんです。難しいと思われるかもしれませんが、その原因を自覚症状からチェックし、起こりうる病気のリスクを知っていれば行動も変わってきます。
よくわからないけどしんどい時の判断基準
「よくわからないけどしんどい」時というのは、体からくるものと心からくるものがあります。単純に「体が原因」「心が原因」と分けることができないし、心と体が互いに影響を与え合っているので自分自身で診断することが難しいのですが、まずは自覚症状を書き出したり、以下のチェックリストに当てはまるかどうかを確認してみてください。
もしあなたが気分・気持ちの面でこういったことをよく感じるようになっていれば注意が必要です。
- 憂うつ感・絶望感・劣等感・自責感などをよく感じる
- 何事も悲観的にとらえてしまう・涙もろくなる
- 何をしても楽しくない・何に対してもおっくうで根気がなくなる
- 思考力や判断力、集中力が低下している
- イライラを感じたり、発作的に泣き叫ぶなど感情が抑えられなくなる
- 漠然とした不安や心配・取り越し苦労が増える
また、気分や気持ちの面ではなく行動に出る場合もあります。
- 無断欠席や欠勤が増える
- モノに当たる・モノを破壊する
- 過食したり、お酒の量が増えている
- 以前は守っていたルールが守れなくなる
- 人に会う回数が減ってしまう
- 家事や日常生活ができなくなる
こういった自覚症状が伴う時に疑うべきは「適応障害」。「適応障害」とは、ストレスが原因の「心の風邪」とも呼ばれる症状で、適応障害をそのまま放っておくと、より深刻なうつ病になってしまう可能性があります。
ストレスによる「しんどい」は適応障害を疑ってください
「適応障害」とは、強いストレス状態に対して、身体的な不調や全身の倦怠感、精神面での不調など、幅広い症状が出てくるのが特徴で、主に心の病気として捉えられます。
風邪も、のどの痛み・せき・鼻づまりなど人によって違った症状が出ますよね。適応障害も同じ、いやそれ以上で、なかなか判断に困るところはありますが、心の風邪といわれるように、現時点では症状が軽いのが特徴です。
「適応障害」の一番の判断基準は、「ストレスから離れれば元気になる」ということ。よく似た症状に「うつ病」や「自律神経失調症」などがありますが、それらとの違いは、ストレスから離れた時にどうなるかで判断ができます。
ストレスがかかるものを片っ端から避けるようにする
例として、上司との関係が悪くて会社に行くのが億劫だったとします。この時のストレス因子は「会社の上司」です。適応障害であれば、会社にいるときは症状が出るものの、会社を離れて家に帰れば元気になります。
それに対してうつ病は、ストレスのかかる状況から離れても元気になりません。すべてのことに関心がなくなってしまいます。そうなってしまうと、休職、最悪の場合は退職となってしまい、今後の生活に大きな影響を与えかねません。
そのための対処法としては、あなたが今以上頑張るわけでも、無理しないように意識するわけでもなく、ストレスがかかるものを片っ端から避けるようにすることがポイントです。
- 仕事内容:自分に合わない・負担がかかり過ぎるものは配置転換などの相談をする
- 仕事環境:オフィスの温度管理、周りの人の声・音、仕事量など、ささいなことを人に伝える
- 人間関係:上司や部下、同僚などの関係を見直し、苦しい場合は相談する
共通することとしては、自分だけで何とかするのではなく相談してみること。仕事の上司・同僚だけでなく、社内の相談窓口・カウンセラー・心療内科など相談の幅を広げてみてください。
もしハードルが高くて難しいのであれば、ささいなことでもいいので書き出して、それらを徹底的に避けるようにしましょう。自分だけで考えるのではなく、とにかく行動に移す。
- 「たかがそんなこと…」と思わず自分を大切にする
- 取り返しがつかなくなるまで放っておかない
- 少しでもいいから行動に移す
しんどい時はこれらのことを心掛け、早めに何らかの対処を行うようにしてくださいね。
適応障害は「うつの一歩手前」「うつ予備軍」
「適応障害」は「うつ病」に似た症状が出るのですが症状としてはまだ軽いもので、位置づけとしては、まだうつ病とまではいかないけど、これ以上行き過ぎると危ないよ。といった状態で「うつの一歩手前」「うつ予備軍」とも呼ばれます。
適応障害はストレスとなる要因(上司と合わない・仕事が合わないなど)から遠ざかればよくなりますが、うつ病に関してはストレスのある・なしに関わらず症状が出てしまいます。
ここで一つ注意しておきたいことは、ストレスの原因から離れられることができれば気分がよくなり、普段通りの生活に戻ることができる、そういった、調子がいい・悪いを行き来する特徴もあるので誤解しやすい部分もあります。
例えば、
仕事しているときは「もう限界」と思っていたけど、仕事が終わったら、意外と元気になった。
といったときには、「しんどいって言おうと思ったけど、みんなしんどい思いをしてるだろし、これくらいだったら、やめとこうかな」といった繰り返しになってしまったり、「仕事にいきたくないのは自分の甘えだ!」とばかりに、自分にムチ打って頑張ろうとしてしまうことがあります。
こういったストレスを感じた時は、すぐにストレスから離れられればいいのですが、むしろ多くの人は「なかなかそこから離れられない」「そのことがずっと気がかりになってしまっている」といった状態になっています。
「甘え」でも「頑張りが足りない」わけでもない!あなたは十分頑張っています!
なので、渦中にいられる方は、 早く、なんでもいいから、よくなってほしいと思っています。安心してください。今ならまだ、元気になることは難しいことではありません。
ただ、「まだ大丈夫」と自分のしんどさを低く見積もってしまうと、うつ病のような、重い状態まで進行していく可能性があります。
そうなると、目先の嫌なこと、つまり、休んだり、不調を訴えたりでかける迷惑の何倍もの時間やお金の負担が降りかかってきて、取り返しのつかないことになる場合があります。
なので、ちょっとでも自分を大切にすることができれば、状況は変わります。今それほどストレスがかかっておらず、そこまでピンとこない方もいるかもしれませんが、「適用障害」は、ストレスが関わってくるので、誰でもなりうる可能性のあるものです。
「適応障害」は、「甘え」や「頑張りが足りない」で済まされてきた病気です。「頑張り」が直接成果に結びつかなかったり、これから先の希望に結びつかない時代、いっそうこのような状態になるかたは増えていっています。
あなたは甘えているわけでも頑張りが足りないわけでもありません。今よりもう少し自分を大切に、頑張らないようにすることを心掛けてみてくださいね。
まとめ
- 仕事がしんどいと感じている人は知らず知らずのうちにストレスをため込んでいることが多い。しんどいの大元はストレス。
- ストレスは誰にでもあるものなので、認識はされているものの、「何とかなるだろう」と思ってそのままにしている人が多い。
- 風邪には自覚症状があり、休んだら治るということを知っているが、ストレスに関する病気は自覚症状がなく、リスクを知らない場合が多い。
- 仕事でのストレスが大きく、「しんどい」と感じる場合は「適応障害」の可能性がある。適応障害は、心の風邪とも呼ばれる。
- 適応障害は「うつ予備軍」とも呼ばれ、ストレスから離れると元気になるが、重いうつ病まで進行すると元気になるのは時間がかかる。
- しんどい時の対処法は、ストレスとなるものを片っ端から避けること。自分だけで考えずに相談したり、ささいなことでも行動に移すようにする。
いかがだったでしょうか。一口に「しんどい」といってもその原因や症状はさまざま。しかしながら、精神的なストレスにさらされることが多い今の時代、ストレスが最も大きい原因になっていると考えられます。
ストレスをそのままにして取り返しのつかないことにならないよう、原因と病気について詳しく知り、できるだけ早めに対処するようにしてください。
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