- 「頑張ってもミスばかりで、仕事ができない奴だと思われている」
- 「仕事でミスばかり続き、自信を無くしてしまっている」
- 「休みたいのに休めなくてイライラしている」
あなたはそんなことを感じて自己嫌悪に陥っていませんか?
今までの人生の中で、一生懸命頑張ってきて乗り越えてきたのに、社会に出たとたんそれが通用しなくなったり、理解されなくなってしまうとつらいですよね。
ただし、仕事を頑張っても、うまくいかないことがあるのはあなただけではありません。みんな仕事で失敗して、ミスをして、イライラしたりもするのです。
それではなぜあなたは自己嫌悪に陥ってしまうのでしょうか?この記事では、自己嫌悪に陥る人の心理と克服法をお伝えしていきます。
自己嫌悪をする原因を根本から自覚していくことで、現実逃避したり自分を責めたりせずに今よりラクに仕事ができるようになります。では、その自己嫌悪に陥る心理とは一体何なのか、一緒に見ていきましょう。
仕事で自己嫌悪に陥る人の5つの特徴
仕事で自己嫌悪に陥る人は、共通した働き方の特徴があります。それは「頑張り癖」。頑張らなくていいのに、ついつい頑張りすぎてしまうのです。では、頑張りすぎてしまうとどういった状態になるのかをまずは見ていきましょう。
特徴1:休みたいのに休めない
自己嫌悪に陥る人は、頑張らないことに対する不安が強い人です。頑張ることをやめると自分の評判を落としてしまうのではないかと考えて、仕事にしがみついてしまいます。
仕事にしがみついてしまうと、疲労が蓄積し、仕事の効率が落ちてきます。しだいに睡眠不足になり、イライラしだしてミスも多くなります。そんな自分に自己嫌悪してしまうのです。
特徴2:頑張ろうとして焦ってしまう
自己嫌悪に陥る人は、ついつい仕事を効率的にやろうとします。今日は気分が乗らないから気分転換しようとか、体調がよくないからちょっと休もうといった発想が乏しいです。
そうすると、ちょっと気分が乗らなかったり、調子を崩してしまって思うように仕事ができないとささいなことで焦るようになります。焦って余計に効率的に仕事ができない自分に自己嫌悪を感じてしまうのです。
特徴3:自分一人でやろうとして頼むことができない
自己嫌悪に陥る人は、頼んだり、人に譲ったりすることを良しとしません。なぜなら自分でできないということを認めるということ、頼んだのに断られるということがことが怖いからです。
それくらいだったらと、ついつい自分でやろうとしてしまうのですが、一人でできる仕事は限界があるし、自分にできないことにぶち当たると自己嫌悪に陥ってしまうのです。
特徴4:人目を気にしすぎて疲れてしまう
自己嫌悪に陥る人は、人目を気にしすぎてしまいます。周りとうまくやっていこうと気配りを欠かさないことはとても大切なことですが、疲れてしまってもやめることができません。
そうなってしまうと、しだいに周りに対してイライラを抑えきれなくなってしまい、怒りをぶつけてしまいます。相手からしてみれば急に態度が変わるのでビックリしたり、もしくは関係が悪化していくので、自己嫌悪がより深くなります。
特徴5:我慢しすぎてしまう
自己嫌悪に陥る人は我慢が得意です。苦しいことに耐えることは必要ですが、我慢には限界があります。助けを求めることの方が大切なときもあります。
体を壊してまで働き続けて、バタリと倒れてしまってはもう手遅れです。周りの役に立つどころか、心配や迷惑をかけてしまうことで、さらに自己嫌悪に陥ってしまいます。
このように、自己嫌悪に陥る「頑張り癖」のある人には共通した特徴がありますが、ではなぜそこまでして頑張ってしまうのでしょう。次はその「頑張り癖」のある人の内側の心理状態を見ていきましょう。
自己嫌悪に潜む心理は「不安」
自己嫌悪に陥る人は心理的に「不安」という感情を常に持っています。自己嫌悪に陥らないようにするためにはまず「不安」をケアしなければいけません。
では、どんな時に不安を感じるのでしょうか。
頑張っても自己嫌悪、頑張らなくても自己嫌悪
自己嫌悪に陥る人は、小学校のころから今に至るまで、我慢をして、弱音を吐かず、コツコツと努力を続けてきたおかげで、一定の成果を上げることができました。でも一方で、最近こんなことを思うようになります。
- 「ひと昔前と比べて業績が伸びなくなってきた」
- 「頑張らなくても成果を上げている人に嫉妬するようになった」
- 「最近の若い人とうまく折り合いがつけられないようになってきた」
頑張っても頑張っても状況が変わらなければ、頑張り癖のある人は「自分はダメなんじゃないか」と自己嫌悪に陥ってしまいます。
でも、一方で頑張らなかったら頑張らなかったで、「頑張っていない自分はダメだ」と同じように自己嫌悪に陥ってしまうのです。
頑張っても自己嫌悪・頑張らなくても自己嫌悪、ここには次のような不安が潜んでいます。
自己嫌悪に陥る人の4つの「不安」
自己嫌悪に陥る人は、心理的に4つの不安をもっています。
- 頑張っていいないと叱られてしまうという不安
- 頑張らなくなってしまうとダメ人間になってしまうという不安
- 頑張らない生き方を受け入れると、頑張ってきた過去を否定されてしまうという不安
- 頑張ることをやめると見ないようにしていたことに向き合わないといけない不安
自己嫌悪に陥る人はこういった不安によく振り回されます。問題なのは、不安があるのを当の本人が自覚しておらず(頑張らなければの気持ちが強いため)、その出所がはっきりとわかっていないことです。
では、この不安という心理はどこから生まれてくるのでしょうか?それはあなたが子どもの頃の思いから生まれてきます。
自己嫌悪を生む、頑張り癖の心理メカニズム
自己嫌悪に陥る人の不安の原因は、子どもの頃までさかのぼります。子どもの頃に、頑張ることを求められたため、頑張っていないと不安に感じる。その思いが今もなお生き続けているのです。
その今もなお生き続けている思い、それは「ビリーフ」です。では、ビリーフとは具体的にどのようなものなのでしょうか。
今なお生き続けている思い「ビリーフ」
ビリーフとは心理学の用語で、物事に対しての価値基準、すなわち「~すべきだ」「~してはいけない」などの信念を指します。
子どもの頃は、親や先生などから受けるしつけや教育に大きな影響を受けます。叱られたり、決められたルールの中から、私たちは、「~しなければならない」といったビリーフをつくり出します。
この「ビリーフ」は、人によって異なります。例えば次のようなものです。
- 人より成功してはいけない(目立ってはいけないと教えられた)
- 子どものままでいなければならない(成長してほしくないと親が望んだ)
このようなビリーフを持っていると、どのようなことを考えるようになるかというと、
- 人より成功してはいけない⇒人にチャンスを譲ったり、人より頑張ってはいけないと考えるようになります。
- 子どものままでいなければならない⇒自分でできるようになってはいけないと考えるようになります。
つまり、「頑張り癖」ができるかどうかは、どのようなビリーフを持っているかによって変わってくるわけなのです。
では、自己嫌悪に陥る人は、どういったビリーフを持っているのでしょうか。
自己嫌悪に陥る人が持っているビリーフ
自己嫌悪に陥る人は、以下のようなビリーフを持っています。
- 決まりに従わなければならない
- やりたくなくてもやらなければならない
- 期待に応えなければならない
- 努力し続けなければならない
- 他人に迷惑をかけてはいけない
- 助けを求めてはいけない
- 苦しくても我慢しなければならない
- あきらめてはいけない
このようなビリーフが頑張り癖のある人を心理的に不安にさせています。ではなぜ、このようなビリーフがあなたを不安にさせるのでしょうか?
それは、子どもの頃と同じように「頑張るだけ」ではうまくいかなくなってしまったからです。
頑張るだけではうまくいかなくなる理由
あなたが頑張るだけではうまくいかなくなる理由は、子供の頃と大人の今との違いがあるからです。では、その違いを見ていきましょう。
子どもの頃と大人の今との違い
子どもの頃 | 大人の今 |
成長にしたがい、できないことができるようになった | 問題が複雑で、取り組んだからと言って解決するとは限らない |
失敗してもその過程をほめてもらえた | 結果が求められることが多く、失敗すれば責任をとらないといけない |
助けを求めなくても、周りの大人が援助してくれていた | 体調管理は自己責任。助けを求めなければ気づいてもらえない |
言われた通りに従えば、たいていの課題はこなせた | 自力で答えをださなければならず、諦めなければならないこともある |
生活リズムも規則正しく、体力があふれている | 生活が不規則になりがちで、体力も落ちていく |
このように、子どもの頃ではできたことが大人になったら通用しなくなることはたくさんあります。子どもの頃と同じやり方をしらずしらずのうちにやろうとして苦しんでしまうのです。
自己嫌悪を克服する方法
ただ、そうはいっても人は本能的に頑張る生き物です。頑張ってこなければ、この過酷な環境で生き延びてこれなかったでしょう。
つまり、自己嫌悪を克服するためには、単純に頑張らないようにすればいいわけではありません。頑張りたい気持ちを大切にしつつ、そのバランスを整えていくことが必要です。
そのための方法、行動面と心理面から2つご紹介していきます。
怠けたい気持ちを大切にする
先ほどは、自己嫌悪に陥る人は、頑張っても自己嫌悪・頑張らなくても自己嫌悪をお話ししました。頑張る・頑張らないに囚われないようにするためには、あなたの気持ちを大切にしましょう。
怠けたいという気持ちは、自己嫌悪に陥る人にとっては「悪」ととらえがちです。ですが、怠けたいという気持ちは心理的にも大切です。
疲れていて休まなければ、ミスやイライラ、失敗のもとになりますし、いずれ体を壊してしまいます。怠けたいという気持ちは、あなたが疲れていることを知らせてくれるアラームなのです。
白黒つけようとせず、7:3のバランスを目指す
頑張り癖のある人は、やるときは全力で頑張ることができますが、こと仕事に関しては、適度に休憩を取り、あきらめたり助けを求めたりすることも必要です。
その時のバランスが7:3。
7割は頑張って、残りの3割はうまくいかなかったときや休むときのために残しておきましょう。白黒つけずにバランスを取ることで自己嫌悪に陥ることが少なくなります。
家族関係による過去の傷を癒す
自己嫌悪に陥る人は、子どもの頃に「~しなければならない」というビリーフをたくさん持っているというお話をしました。本当は怠けたかったのにできなかった、そんな時は親・家族関係での傷つきを経験しています。
家族関係による過去の傷を癒すためには、その当時の感情を解放すること。セラピーなどで感情の傷を解放することで自己嫌悪を克服することができるようになります。
まとめ
- 自己嫌悪に陥る人の特徴は「頑張り癖」。頑張りすぎて休めず・助けを求めず・我慢をしてしまう。
- 自己嫌悪に陥る人は、頑張っても頑張らなくても自己嫌悪に陥る。その奥に潜む心理は不安。
- 自己嫌悪に陥る人は、「~なければならない」というビリーフ(信念)がある。子どもの頃に作り出したビリーフが通用しなくなったのが原因。
- 自己嫌悪を克服する方法は、頑張る・頑張らないを基準に置くのではなく、怠けたい気持ちを大切にする。そのバランスは7:3。
いかがだったでしょうか。自己嫌悪に陥る人は、自分がダメなのではなく、子どもの頃に作り出したビリーフが通用しなくなっていることが原因です。
頑張り癖がある人ほど、人一倍頑張って疲れてしまうので、「仕事ができない」「失敗が多い」「イライラする」「ミスばかりしてしまう」と感じて当然です。
そしてこういったことは誰にでも起こりうることです。現実逃避をしたり自分を責めたりして自己嫌悪に陥るのではなく、自分を認めて自己肯定できるよう心掛けていってみてください。
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