まだ肌寒い日もある中、桜の開花を心待ちにそのつぼみを見守るのは、日本に住む私たちにとって春の楽しみの一つ。
ところであなたは、「日本三大桜の名所」と「日本三大桜」の違いをご存知でしょうか?
近場のお花見スポットも魅力的ですが、日本人なら「日本三大桜の名所」と言えばそれがどこなのか、「日本三大桜」と言えばそれがどんな桜かを知っておきたいところ。
この記事では、「日本三大桜の名所」と「日本三大桜」の違いと、「日本三大桜の名所」の中でもイチオシの「吉野山」についてご紹介していきます。
それではさっそく見ていきましょう!
目次
「日本の三大桜の名所」と「日本三大桜」ってどうちがうの?
「日本三大桜の名所」は、
- 弘前公園(青森県)
- 高遠城址公園(長野県)
- 吉野山(奈良県)
それに対して「日本三大桜」は、
- 三春滝桜(福島県)
- 山高神代桜(山梨県)
- 根尾谷淡墨桜(岐阜県)
これを見ると、「日本三大桜の名所」が、桜が見られるある地域を指しているのに対して、「日本三大桜」は名物の一本の桜の樹のことを指していますよね。
少し紛らわしいですが、この違いは、場所と見どころを知れば一目瞭然。ではまず、「日本三大桜」について見ていきましょう!
「日本三大桜」は何が凄い?ひとつずつご紹介♪
日本三大桜がわたしたちの近所にある桜とどう違い、どう凄いのかをひとつずつ見ていきましょう。
日本三大桜その1:三春滝桜(みはるのたきざくら)

出典:http://miharukoma.com/experience/183
- 見ごろ:4月中旬~下旬
- 住所:福島県田村郡三春町大字滝字桜久保296番地
- TEL: 0247-62-3960(三春町 産業課 商工観光グループ)
- 公式サイト:http://www.takizakura.com/
日本三大桜に数えられる滝桜はベニヒガンザクラ。
薄紅色の小さな花がつく様を滝に見立てたことから、「滝桜」と呼ばれるようになったそうで、大正11年、日本三大桜の1つとして国の天然記念物に指定された名木の樹齢は1,000年以上とも言われています。
後に出てくる岐阜県の淡墨桜とともに、東西の横綱にも位置付けられている滝桜。皇居宮殿や、赤坂サカス赤坂Bizタワー壁画のモチーフになっていることでも有名で、日本を代表する、大物の桜なんです!
日本三大桜その2:山高神代桜(やまたかじんだいざくら)

出典:https://www.hokuto-kanko.jp/sp/sakura_jindai
- 見ごろ:4月上旬
- 住所:山梨県北杜市武川町山高2763
- TEL: 0551-47-4747 (北斗市観光協会)
- 公式サイト:http://www.hokuto-kanko.jp/sakura/sakura_yamataka.html
山高神代桜は実相寺境内にそびえるエドヒガンザクラ。
推定樹齢は1,800年とも2,000年とも言われており、伝説では神話の武将ヤマトタケルノミコトが東征の折に植えたと言われ、その名に名残が残っています。
また、日蓮聖人がこの木の衰えを見て回復を祈ったところ再生したため、「妙法桜」とも呼ばれており、ここまでの長い時代を生きてきた樹には、ある種の神聖さも感じられますね。
日本三大桜その3:根尾谷淡墨桜(ねおたにうすずみざくら)

出典:http://www.city.motosu.lg.jp/sight/usuzumi/tokucho/
- 見ごろ:4月中旬
- 住所:岐阜県本巣市根尾板所(ねおいたしょ)625番地1
- TEL: 058-323-0880(薄墨桜開花情報等;自動応答観光ダイヤル)
- 公式サイト:http://www.city.motosu.lg.jp/sight/usuzumi/
紀元5世紀ごろに時の天皇によってお手植えされたとの伝承もある薄墨桜は、その名の通り、花びらに大きな特徴があります。
蕾の時は薄いピンク、満開は白色、散り際には黒味を帯びることから「薄墨桜」の名が付けられました。色が変わるなんて、あまりに神秘的で実感がわきにくい気もします。だからこそ、ぜひ一度本物を拝んでみたくなります。
以上が「日本三大桜」です。日本三大桜についてイメージはついたでしょうか?長い時間を生き抜く中でさまざまな伝説が折り重なり、今日まで語り継がれているのが興味深いですね。
現在全国各地でよく見られるソメイヨシノが江戸時代の中期~後期に発達したものだとされているので、それよりもはるか昔からその地に根付いていたという桜の容貌はぜひ一度本物を見てみたいと思いました。
「日本三大桜の名所」の魅力はここ!
それでは次に「日本三大桜の名所」をみていきましょう!せっかくお花見をするなら、四方八方が桜色で満開になっているのが理想的ですよね。
「日本三大桜の名所」は日本三大桜と違って1,000年にも及ぶ樹齢とはいきませんが、どこも歴史が古く、三本指に数えられるだけの納得の迫力ですよ。
以下では桜の特徴も紹介しつつ、日本三大桜の名所としての見どころポイントも合わせて解説します。
日本三大桜の名所その1:弘前公園(ひろさきこうえん)

出典:http://www.hirosakipark.jp/sakura/hanaikada.html
- 見ごろ:4月下旬~5月上旬
- 住所:青森県弘前市下白銀町1
- TEL:0172-35-1111(弘前市役所)
- 公式サイト:http://www.hirosakipark.jp/sakura/
弘前公園の名物は、外濠の花筏(はないかだ)。
「花筏(はないかだ)」とは、散った桜の花びらが水の上に帯のように浮かび流れる姿を筏(いかだ)に見立てたことに由来しますが、弘前公園の写真は、桜の花吹雪が堀の水を絨毯のように桜色に染めている様が美しいですね。
満開の桜の花びらが散っていく様を見るともどかしい気持ちになりがちですが、ここではその散った花びらが堀を桜色に染め上げるので、桜の散り具合の心配なくお楽しみいただけそうです。
弘前公園の桜はソメイヨシノ。一般的には70年程度の寿命とされているソメイヨシノですが、弘前公園には樹齢100年を超すソメイヨシノが、実に300本以上もあると言われています。
特に、明治時代に旧藩士から寄贈されたソメイヨシノは樹齢130年を越えると考えられており、現存する中では日本最古のものだそうです。そのような老木から若木も含め、弘前公園には、約2,600本の桜の木が植えられています。
花筏は特に見ごろが読みにくいところではありますが、公式サイトから予報・おすすめ撮影スポットの配信もあるので、ぜひ一度公式サイトをご確認されることをお勧めします。
日本三大桜の名所その2:高遠城址公園(たかとおじょうしこうえん)

出典:https://takato-inacity.jp/h29/takatoh_no_sakuratowa
- 見ごろ4月中旬~下旬
- 住所:長野県伊那市高遠町東高遠
- TEL::0265-78-4111(伊那市観光協会・伊那市観光課)
- 公式サイト:https://takato-inacity.jp/h30/
高遠城址公園の見どころは、なんといっても「タカトオコヒガンサクラ」。園内には約1,500本の桜があり、「天下第一の桜」と称されてきました。
こちらは長野県の天然記念物にも指定されており、比較的小ぶりで赤みのある花を咲かせます。多くの方が見慣れているソメイヨシノは白い色味が特徴のため、一口に桜といっても、かなり違った印象を受けるのではないでしょうか。
高遠城は歴史的評価も高く、国指定の日本百名城にも選出されています。
古くから交通の要所にあり、戦国時代には武田信玄がこの地をおさえており、現在は石垣の一部や櫓が残っています。外堀と城とをつなぐ橋の上から桃色の桜を眺め、昔に思いを馳せながら桜を眺めてみるのも素敵ですね。
日本三大桜の名所その3:吉野山(よしのやま)

出典:http://www.yoshinoyama-sakura.jp/sakura.php
- 見ごろ:4月上旬~下旬
- 住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山2430
- TEL:0746-32-1007(吉野山観光協会)
- 公式サイト:http://www.yoshinoyama-sakura.jp/sakura.php
花の特徴
吉野山の魅力は、200種類・3万本の桜があるという圧倒的なスケールの大きさもさることながら、文化的に非常に貴重な遺産を現代にまで残しているというところ。その歴史的背景は他の桜の名所とは一線を画しています。
「吉野山 みねの櫻や咲きぬらむ 麓の里に匂ふ春風」
金葉集・春 摂政左大臣忠通
「あさぼらけ ありあけの月と見るまでに 吉野の里にふれる白雪」
古今集・冬・坂上是則
これらの和歌に聞き覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
吉野山は、春は桜、冬は雪の名所として、古くは万葉集にも歌われていることからもわかる通り、日本人の信仰・文化を現代にいたるまで脈々と受け継いできた非常に重要な場所です。
平安時代から徐々に桜の名所として知られるようになり、現在では”一目に千本見える豪華さ”という意味で「一目千本」とも言われます。昔の人達が眺めた山とそこに息づく文化が現代の私たちにまで受け継がれていると思うと、感慨深いですね。
山は、奈良県の中央部から約8キロメートルにも渡って南北に続いており、標高の低いエリアからにそれぞれ「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」と名付けられています。
4月の初旬ごろより山の裾野から徐々に頂上に向かって桜が色付いていくため、1カ月程度の長い期間桜の花をお楽しみいただけるでしょう。公式サイトでは、3月頃から開花情報をお知らせしてくれるので便利です♪
【奈良県 吉野山の桜】お勧め★★★★☆ 日本・自然系
言わずと知れた日本一の桜の名所。 シロヤマザクラを中心に約200種3万本の桜が密集している。全面に渡るグラーデーションの桜色は目を奪われること間違いなし!お弁当を食べながら見たい!pic.twitter.com/1grRCSxKc3— 死ぬ前に必ず行くべき場所 (@sinumaeni_) 2017年3月28日
日が暮れてからはライトアップも始まるので、夜桜も外せません!昼間の桜色に霞がかったような柔らかい風景が幽玄な雰囲気に一転するのは大きな見どころのひとつです。
世界遺産に癒し効果、さらには温泉?!吉野山で花見と合わせて楽しみたい3つの魅力

出典:http://www.yoshinoyama-sakura.jp/sekai_isan.php
吉野山で花見と合わせて楽しみたい魅力その1:世界遺産めぐり♪

出典:http://www.yoshinoyama-sakura.jp/sekai_isan.php
山全体は世界遺産として登録されています。2004年(平成16年)には吉野山・高野山から熊野にかけての霊場と参詣道が『紀伊山地の霊場と表参道』としてユネスコの世界遺産に登録されました。
その中に点在する吉野水分神社・金峰神社・金峯山寺・吉水神社などのそれぞれの世界遺産の建造物を徒歩で回ることができ、歴史的な見どころが多いところが特徴です。
吉野山で花見と合わせて楽しみたい魅力その2:森林浴で癒される♪
吉野山に足を踏み入れるということは、静かな森林の中に身を置き、新鮮な空気を体中に循環させることになります。このような森林浴をすれば、おのずと気持ちが静まり、リラックス効果が得られるでしょう。
実際に、吉野山は平成24年の審査会において、「悠久の風景 吉野の道」という名称で「森林セラピー基地」及び2箇所の「森林セラピーロード」について「特定非営利活動法人森林セラピーソサエティ」より認定を受けました。
日々の生活に忙殺されがちな現代人にとって、都会の喧騒から離れて山の中で過ごすひと時は、とても贅沢に思われます。特別コースを歩くツアーも組まれているので、本格的に取り組みたい方には嬉しいですね。
吉野山で花見と合わせて楽しみたい魅力その3:ご当地自慢を散策しよう♪
吉野山周辺には、花見と一緒に楽しむべき!地方ならではのスポットもあります♪その中でも一部をピックアップしてご紹介します。
中荘温泉(なかしょうおんせん)

出典:http://www.hounoya.gr.jp/
吉野川の底から引いた、天然の温泉です。花見の後に温泉で温まれるなんて、まさに天国のようです。(吉野駅から約6キロ)
宮滝

出典:http://www.yoshinoyama-sakura.jp/therapy.php
万葉の昔から多くの人に詠まれた景勝地です。美しい水場をボンヤリ眺めれば、心もリフレッシュできそうですね。(吉野駅から約7,3キロ)
大淀町道の駅iセンター

出典:http://www.town.oyodo.lg.jp/contents_detail.php?frmId=378
地方に行ったなら絶対に外せない!地域の特産品が集まっています♪
名物は、柿の葉寿司、番茶のお団子、桜風味のお菓子♪そのほかにも、新鮮なお野菜、地元のお酒、焼き立てパン、工芸品など、自慢の品が寄せられています。(吉野駅から約10キロ)
このほかにも、吉野駅周辺には甘味処やお食事処が並んでいます。おいしい食べ物を味わうのも、お花見の醍醐味のひとつですよね。
このように、吉野山は、古くから愛されてきた歴史的な桜の名所でもあり、ご当地グルメや温泉など、ゆったりとした贅沢な時間を味わえるお楽しみスポットでもあります。
最後に
日本三大桜の名所と日本三大桜では、花の特徴や樹齢、歴史的背景など、それぞれ圧巻の魅力と個性がありましたね。
もちろんあなたの近所のお花見スポットでも十分美しい桜を楽しめますが、もう一歩外に足を踏み出してみれば、今まで知らなかった深淵なる桜の美しさに出会うことができるのではないでしょうか。
桜のためになかなか時間を取ることが難しいかもしれませんが、今年は、少し足を伸ばして、春の喜びを桜の一大名所、吉野山で味わってみてはいかがでしょうか?^^
以上、「日本三大桜の名所は吉野山がオススメ!日本三大桜とは違うの?それぞれ紹介!」でした♪
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