日馬富士の「説諭する」とは?貴ノ岩事件にみる警察の「説諭」の仕組みと「微罪処分」について!

大相撲の横綱・日馬富士が貴乃花部屋の平幕力士・貴ノ岩に酒席で暴行を働いたという事件。

大相撲九州場所開催中ということもあり、連日マスコミ・ワイドショーなどで大きな注目を集めています。

報道の当初は、貴ノ岩関をビール瓶で殴って頭蓋骨が骨折したとの情報が流れ、親方の貴乃花親方が被害届を出すなど大きな波紋を呼びました。

ところがそのモンゴル人力士が集まった酒席でのコメントを求められた横綱・白鵬関は「翌日は二人で握手した」との仲直りした旨のコメントを出すなど、事件の真相は混とんとしています。

そんな中、鳥取県警による任意の事情聴取が都内の両国国技館で役8時間にわたり行なわれ、日馬富士は「貴ノ岩の礼儀がなっていないので説諭しながら平手で何回かたたいた」「カラオケのリモコンでも軽くたたいた」と説明した一方で、「ビール瓶では殴っていない」とも話しているそうです。

この日馬富士の「説諭」というコメントが気になり調べてみました。さっそく見ていきましょう!

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日馬富士の「説諭する」とは?警察の処分について

警察は犯罪の捜査をしたときは、特別の場合を除き、書類や証拠物を検察官に送らなければならず(送致)、これは「全件送致の原則」と言われています。(刑事訴訟法)

しかし、日本では年間150万件前後の犯罪が起きています。これは1日に換算すると4000件以上というものすごい数。

逮捕されれば取り調べを受けて、刑事裁判に発展…なんてイメージが強いと思いますが、犯人を起こした人を全員同じように取り調べたりするわけにもいきませんし、先ほどお話ししたように事件の大小を問わず書類や証拠物を送致されたら検察の仕事も立ち行かなくなります。

「説諭」=警察による「説教」

そのため例外として、警官が、非常に軽い犯罪や揉め事などで被害届が出されていないという理由から、「事件」として扱わず、張本人に説教をして反省を促すことで、無罪放免とすることがあり、それを「説諭(せつゆ)」と言います。

説諭と微罪処分の違い

ちなみに似たような処分として「微罪処分」というものがあり、「説諭」と同じように軽い犯罪が対象となります。

では「説諭」と「微罪処分」の違いは何かというと、「説諭」は先ほどお話しした通り、警察の説教のみで、「微罪処分」は各都道府県警や検察庁の記録に残るという点です。

身の回り、もしくはニュースなどで、「1日警察署にお世話になって、注意を受けて帰ってきた」という話を聞いたことはありませんか?このようなケースは微罪処分として処理されることが多いのです。

よくある例としては、万引きなどの軽犯罪が代表的ですよね。

微罪処分となる犯罪の特徴

ではその微罪処分となる犯罪はどんな犯罪なのかということに対してですが、実は明確な基準はなく、担当している警察の裁量によって違うので一概には言えませんが、大きく次のような特徴があります。

被害が軽微

微罪というだけあって、被害が少ないことが第一条件です。

他人を傷つける傷害事件の場合は全治一週間以内が目安とされており、万引きなど窃盗罪については2万円以下が目安となります。

犯行が悪質でない

犯行が悪質な場合は被害の大小に関係がありませんが、例えば酔っぱらっての暴行や魔が差しての万引きなどがこれに当たります。

一方で、相手を傷つけるために意図的に凶器を使用した場合や、万引きであれば計画的・常習的なものは微罪処分にはなりません。

被害者が加害者(被疑者)の罰則を望んでいない

被害者が加害者の処罰を望んでいるようであれば警察も簡単には微罪処分にはできません。被害者が被害届を出すか出さないかは微罪処分に大きな影響を与えます。

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微罪処分となる人とならない人

いくら罪が軽いからと言って、すべての人が身柄を拘束されずに釈放される、というわけではありません。では微罪処分となる人の特徴は次のような人です。

  • 初犯である
  • 家族・上司などの監督者がいる
  • 逃亡の恐れがない

初犯であるという条件は裏を返せば、繰り返し犯行を行っている人は悪質だとみなされるということ、そして逃亡の恐れがないというのは、住所不定・身元不明で警察からの連絡に応じない恐れがあるので微罪処分とはなりません。

日馬富士・貴ノ岩事件ではどうみるか?説諭?微罪処分?

では今回の日馬富士・貴ノ岩事件を見てみます。

ちなみにこれまでの説明からわかる通り、警察が「説諭」するのであって、日馬富士が説諭するというのは本来の意味として違っていますが、要は日馬富士が貴ノ岩に対して説教したということを言いたかったのだと思います。

事件当初は、貴ノ岩が日馬富士に無礼な態度をとったことにより日馬富士が激高、他の同席した力士の制止を振り払って、ビール瓶などで馬乗りになりながら殴ったとの報道がされていました。

これを聞くと、かなり悪質で悲惨な事件というように聞こえますよね(/_;)

日馬富士側・貴ノ岩側(貴乃花親方・貴ノ岩)双方の証言に食い違い

10月26日の事件直後、11月12日から始まった大相撲九州場所においても、貴ノ岩関は初日から休場し、診断書では「脳振盪(しんとう)、左前頭部裂傷、右外耳道炎、右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑いで全治2週間程度と考えられる」という情報。

報道当初は被害者である貴ノ岩側の情報が出てきており、親方である貴乃花親方が被害届を出したなど、かなりセンセーショナルな話題で、皆疑いもせずその情報を受け取りました。

しかし、日本大相撲協会の危機管理員会が「病状に問題はなく、相撲が取れる状態」との所見を示し、報道は混乱。

診断書の作成の際に貴ノ岩を診た医師に状況を聞いたところ、全治二週間で11月9日には既に退院しており、今回の事件と貴ノ岩の休場には直接的な関係はないというのです。

また、「日馬富士が馬乗りになって貴ノ岩をビール瓶で殴った」という報道についても、事件があったモンゴル人力士の酒席の現場にいた横綱・白鵬関はその一部分を認めながらも、

  • 白鵬関:「ビール瓶は使っていないし、馬乗りにもなっていない」(11/16)

と反論し、翌日の鳥取巡業では二人仲良く握手したとまで言っています。

日馬富士と貴ノ岩との関係は説諭で済むのか、それとも…?

これら、証言に食い違いを見せている状況に置いて、たしかであることは以下の二つです。

  • 貴ノ岩が酒席の場で日馬富士に無礼な態度を取った
  • 日馬富士は貴ノ岩に対して暴行したことを認めた

もちろん日馬富士の暴行は許されないことではありますし、貴ノ岩の態度も度が過ぎた部分があったのかもしれません。ただ、焦点は微罪処分の項でお伝えした三つの点です。

  • 被害が少ないか(暴行の程度)
  • 暴行が悪質でないか
  • 被害を受けた側(貴ノ岩)が加害者(日馬富士)の罰則を望んでいるか

これら三つの点があやふやになっているため多くの混乱を招いているのです。

日馬富士も貴ノ岩も早く相撲に集中できる環境に

そしてこういった報道が過熱し、日馬富士と貴ノ岩が相撲に集中できない状況となってしまうのがもっともよくないことです。ひいては大相撲のイメージダウンにつながってしまいます。

貴ノ岩はこのまま全休すれば幕下の下のクラスである十両に陥落する可能性もあるし、日馬富士・貴ノ岩両人が批判にさらされる精神的ストレスも今後の相撲生活に大きな影響を与えることになるでしょう。

大相撲協会は過去の八百長問題などで大きくイメージダウンし、今もなお不信感を持たれている状態。それを少しでも払しょくできるよう、認めるところは認め、早めに騒動終結することを願っています。

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